1950年頃


広葉樹と針葉樹が混ざる、
北海道特有の天然性混交林が多かった。
明治以降の開墾、薪炭としての利用、戦争による軍需や物資不足による乱伐などありましたが、それほど森の奥までは人の手がのびていませんでした。この頃は木材の自給率が90%を超えていました。広葉樹と針葉樹が自然のバランスで程よく混ざり、下層植物や森の動物たちとも共存出来ていました。

1960〜70年頃


針葉樹が植林され、
太い広葉樹は海外に輸出される。
針葉樹の人工林が急速に増え、200年、300年育った広葉樹を求め、森の奥まで開発が進みます。急激な需要の高まりとともに木材の値段が高騰。外貨準備のない日本は、国産材の増産を目指しました。植林した針葉樹の成長量を見込んで現状の森林の成長量以上の伐採を行いました。

1980年頃


自然保護意識が高まる一方、
林業や山村社会が曲がり角を迎えました。
北海道では約550万haの森林のうち、トドマツが70万ha以上、カラマツが50万ha以上戦後に植林されました。 「北海道の森林資源は無尽蔵」と言われたのも束の間、伐り出しやすい良質な木は、激減しました。林業は急速に衰退し、林業従事者が減り、山村社会の過疎化が進みました。

2000年頃


天然生林の伐採は控えられ、
外国産材への依存がますます高くなりました。
自給率は、近年30%台後半まで回復しましたが、広葉樹に限っては、2%(パルプを除く)に留まっています。天然林は伐採を免れるようになり、資源は回復の傾向をみせ始めます。しかし、資源の持続性を回復させるためには多大な時間を要します。そんな中、私たちは「白樺」に可能性を見出しました。

そして今、


白樺プロジェクトが始動しました。
 
針葉樹人工林の皆伐跡地などに、人の手をわずかに加えることで白樺の更新を後押しし、広葉樹の森を作る。50年で早く成長するだけではなく、樹皮や樹液や葉の活用が新しい収益源を生み出し、持続可能な林業経営を目指す。白樺を循環させて利用を続ける間に、本来200年、300年生きるナラやタモの成長を待つ。
そんな豊かな未来の森を想像しています。

 
日本の「木材生産量」と「森林伐採面積」に
森林事業年表を重ねてみました。

 

【参考】
日本の木材需要量:8,185万㎥(丸太換算、2017)日本の木材供給量:2,966万㎥(丸太換算、2017)日本の木材自給率:36.2%(用材では31.6%、2017)(平成29年度林業白書より)
日本の針葉樹人工林の蓄積量:約30億㎥(2017)(森林林業統計要覧 2017より) /北海道の針葉樹人工林の蓄積量:約2.5億㎥(2017)(平成29年度北海道林業統計より)